「活性酸素」と「SOD」の話

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管理栄養士
能勢 敏子

食べもの、栄養、健康、病気、生活習慣病(成人病)などについて見聞きする際、「活性酸素」「SOD」といった気になる表現に此頃出会いませんか。気になる方は、この文章を読まれたのを機会に、「活性酸素」「SOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)」なる言葉への注目を開始してください。何故なら、あなたも私も酸素を吸って生きている以上知らないでは済まされない意味と問題をはらんでいる「活性酸素」と「SOD」であるわけですから。

さて、地球上の生物には酸素は必要不可欠のもの。ご存知のようにこの酸素は鉄を錆びさせ、やがてボロボロに朽ち果てさせてしまいます。一方、人体にはいった酸素は、分子レベルのお話ですが、「活性酸素」と呼ばれ、からだに侵入してきたバイ菌や異物を攻撃してくれる、本来ならば強い味方の筈です。ところが、タバコ・酒・ストレス・紫外線・激しいスポーツ・食品添加物・農薬や洗剤・環境汚染などが原因で、大量に「活性酸素」が増えると、バイ菌や異物をやっつけるどころか「活性」などと素敵な呼び名を持ちながら、細胞の細胞膜やDNA(遺伝子)まで攻撃し大暴れします。この攻撃にさらされている部位が段々と傷み出し(さながら錆び始めるということでしょうか)老化や色々な病気を発生させる原因となることがわかってきました。

といって恐れてばかりで打つ手がないわけではありません。ここで「SOD」の登場となります。からだの中に大量発生した「活性酸素」を害のないレベルまで押え除去する作用を持つ、たのもしい体内の酸素が「SOD」であり、この大暴れする「活性酸素」を押え込み害のない味方の酸素になるようにバランスを取ってくれる働きをするわけです。

若さと健康を保っていられるうちは、このSODを作る機能も活発ですが、40歳を過ぎる頃から急激にこの能力が衰え「若くないんだなァ」と思うようになったら、SODの代用となるSOD様食品(ビタミンA・B2・B6・B12・C・E・カルシウム・マグネシウムなど)に頼る必要に迫られます。あなたも私も天から授った寿命が尽きる迄、つまり「死ぬ迄元気」で、高齢化社会を若々しく元気で尊厳のある社会の一員として生きて行きたいものです。